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February 03, 2013

写真日乗2013/02/03〜沢木耕太郎とロバート・キャパ〜

20130202l1112186_2

撮影:2013/02/02 横浜みなとみらい地区
Leica M8.2   Voigtländer HELIAR classic 75mm f1.8

いかにも土曜日の午後という、みなとみらい地区の長閑な日本の情景を撮り、横浜美術館で開催中の写真展「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人写真家」を見て、言葉を失った。キャパのことは、昨年の12月20日のこの「日乗」でも書いたが、彼がスペイン戦線から撮り始め、インドシナで地雷を踏み亡くなるまでの戦場の作品を通してみると、例の写真が贋作かどうかということが、全く気にかからなくなる。そのようなことは「どうでも良いことだ」という確信すら芽生えてくるから不思議だ。
沢木耕太郎は、ジャーナリズムのあり方という点で、例の写真を問題視しているのであろうが、所詮、沢木はスペイン内戦も、日中戦争も、そしてインドシナの混乱も自身の目では見ていない。日本国内で一流といわれるノンフィクション・ライターであっても世界では無名、その彼が20世紀最高のフォトジャーナリストとして君臨しているキャパの遺品を使って勝負をしかけているといったら、語弊があろうか。
ノンフィクション・ライターとして、例の写真が贋作であるという立証をし、「世界の沢木になろう」と企んではいまいか。そうだとしたら、沢木の目論見はおそらく外れる、と私は思う。
文藝春秋における沢木の文章は、彼独特の執拗さに溢れているもので懐かしかったが、私の心の底まで届いてこなかった。何度も同じことを書き続けながら、多くの誌面を埋めていくという感じ作業は、滑稽だと思ったほどだ。
その沢木の仮説を証明する番組が、今晩、NHKで放映される。私は文春を読んでしまったので、見ることはない。横浜美術館で作品展が開かれている最中に放映される番組で、真実が明らかにされることはおそらくないだろう。それは遠い過去のネガすらない一枚の写真だからだ。その真贋を暴いて何になる。歴史はもうとっくの昔に、あの写真によって動いてしまっているのだ。
そしてキャパの業績は、あの一枚が贋作だったとしても傷つくことはない。あの写真をはるかに上回る出来の、無数の写真がキャパそのものなのだ。フォトグラファーにあらざる者にいったい何がわかるというのか。

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