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November 17, 2016

写真日乗2016/11/09~ウィーン国立歌劇場「ワルキューレ」その2~

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撮影:2016/11/09 於:東京・大手町
Panasonix Lumix CM1

第一幕は、フンディング邸。大きなテーブル­の真ん中にトネリコの大木があり、そこにノー­ツゥンクが刺さったままになっている、基本的­にシンプルな舞台だ。舞台には狼の白い影­がマッピングされ、ジークムントとジークリン­デが追われている状況を表している

第一幕は、館の中の会話劇という趣なので、歌手を大きく動かし演技させることはない。歌手陣も、長い舞台ゆえ、少し抑え目のスタートである。演出は、スヴァン・エリック・ベヒトルフ。ドイツ、オーストリアなどの欧州の中心で活躍している演出家である。この「ワルキューレ」の演出は、2007年のヴェルザー=メスト指揮のプロダクションで採用されたものだが、その後、ティーレマンもこの演出で指揮をしている。今回はフィッシャーが指揮をしているが、ある意味、「指輪」の経験のある指揮者ならば、違和感なく音楽を進めていける演出なのだと思う。 そもそも「指輪」は、管弦楽が奏でる音楽自体が劇的であり、ワーグナーが唱えるようにアリア中心の歌劇ではない。話の筋も神話を参考にしているというが、創作そのもので、話の筋を詳細に追っても違和感の出る部分がかなりある。正確に音楽の流れをつかみ、それに合わせて歌える歌手でないと浮いてしまうのだが、当代一流のワーグナー歌手たちは、まさに管弦楽との意思疎通でいかようにも歌える技量を持っている。また、歌手が入りを少し間違えても、オケが即座に調整する力量が求められるが、ウィーンフィルなら、そうしたことをやすやすとやってしまう。今回は、総合芸術としての楽劇がどういうものであるかを改めて気づかせてくれたが、第一幕はそのことを強く感じさせてくれた。さすがにウィーン国立歌劇場の公演である。 第一幕では、ジークムントのヴェントリスも良かったが、フンディングのアンガーの美声に酔った。これほど立派なフンディングが今まで聴いたことがない。ジークリンデのラングは、やや声の低さが気になるが、迫力満点であった。 フィッシャーの指揮は、緩み、隙のないもので、一聴してクナの対極にあるような演奏にも感じられるが、公演の翌日、苦なのウィーンフィル盤(大地幕のみの有名なディスク)を聴いてみれば、テンポの違いはあるものの、相通ずる音楽づくりが感じられた。伝承とはそういうものなのだろう。

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