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April 07, 2006

4月の短歌作品

生命

 茶筒より薔薇の香りのたちのぼり茶葉ふり出せば虫の蠢く

 こつこつと時刻みたる〈deathwatch beetle〉すなわち死番虫のこと

 紙木材が好物という死番虫わがリビングにフレーバーティー喰う

 お客様相談室に報せたる翌日コーヒーセットなど届く

 CSR経営ゆえに調査報告よせる書簡はスイーツとともに

 葡萄木の苗うえるために掘りすすむ、大きなる石にわれは拒まれ

 カンカンとシャベルの音は死神の鎖骨打ちたるごとく響きぬ

 地中より甲虫目の幼虫のあまたあらわる輪廻の果ての

 花冷えに無名数なるさまざまのもののぼり来る九段坂なり

 山門をくぐれば人の声とだえ逝く人びとはふり返らない

 坂道のまにまに速歩の緩みたり音羽のまちに花まつりかな

 「切り花が泣いているから…」花を売る露天商にせまる気功師

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