3月の短歌作品
東京
雨音に導かれたるレースかな「42 .195 km(シニイクカクゴ)、もうすぐおわり」
東京の海に潮の香あることをしばしたのしむ海辺へゴール
数日をへてのち一気におそいくる気怠さそれは長駆の証し
今日もまた降りやまぬ雨ひと多き中央通りにランナーおらず
〈世界中古カメラ市〉にさそわれてあゆむ銀座に色濃き意匠
四丁目の二度の左折は人生の一仕事として記憶にのこす
十日後も気怠さのこるゆえこよい鍼十数本をうたれてねむる
エルタワー十九階より見おろせる靖国通りに車列うごかず
乾門はな咲くまえの桜木は枝ぶりのよく雨はあがりぬ
われにバナナ、妻にはスイートピーの贈られてともにすっかり色は変わりぬ
変わらぬは完走メダルの真鍮のごとくくすんだ西空の月
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