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March 11, 2007

3月の短歌作品

東京

 雨音に導かれたるレースかな「42 .195 km(シニイクカクゴ)、もうすぐおわり」

 東京の海に潮の香あることをしばしたのしむ海辺へゴール

 数日をへてのち一気におそいくる気怠さそれは長駆の証し

 今日もまた降りやまぬ雨ひと多き中央通りにランナーおらず

 〈世界中古カメラ市〉にさそわれてあゆむ銀座に色濃き意匠

 四丁目の二度の左折は人生の一仕事として記憶にのこす

 十日後も気怠さのこるゆえこよい鍼十数本をうたれてねむる

 エルタワー十九階より見おろせる靖国通りに車列うごかず

 乾門はな咲くまえの桜木は枝ぶりのよく雨はあがりぬ

 われにバナナ、妻にはスイートピーの贈られてともにすっかり色は変わりぬ

 変わらぬは完走メダルの真鍮のごとくくすんだ西空の月

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