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May 11, 2008

5月の短歌作品

春雷

 春雷に自転車一台たおれたり松屋牛丼におうあたりに

 花見にはまだはやきまち夕暮れて天にとどかぬクレーンの数機

 排煙の跡のこしたる煙突のもとに息づく綿毛蒲公英

 もも組さんさくら組さんゆり組さん子らの笑顔はコンクリのなか

 人おらぬ歩道に雀は群れをなし桜を愛でる暇などあらず

 ありふれた風景としてロータリのぞめば蒼き空ばかりが冴え

 あかき車に吸い寄せられて羽虫まう燕のかげにおびえるように

 ティッシュくばる青年沈黙したるまま動機なき殺人者のごとく

 街宣車は検問にあい止められつ野鳩の路上にさまよいあるく

 街路樹の新緑ふかき影をなす裁判員などなりたくはなし

 三体のマネキンの着る三着に暖色はなく春のふかまる

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