5月の短歌作品
春雷
春雷に自転車一台たおれたり松屋牛丼におうあたりに
花見にはまだはやきまち夕暮れて天にとどかぬクレーンの数機
排煙の跡のこしたる煙突のもとに息づく綿毛蒲公英
もも組さんさくら組さんゆり組さん子らの笑顔はコンクリのなか
人おらぬ歩道に雀は群れをなし桜を愛でる暇などあらず
ありふれた風景としてロータリのぞめば蒼き空ばかりが冴え
あかき車に吸い寄せられて羽虫まう燕のかげにおびえるように
ティッシュくばる青年沈黙したるまま動機なき殺人者のごとく
街宣車は検問にあい止められつ野鳩の路上にさまよいあるく
街路樹の新緑ふかき影をなす裁判員などなりたくはなし
三体のマネキンの着る三着に暖色はなく春のふかまる
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