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May 07, 2008

熱狂の日音楽祭2008第5日(5月6日)

4回目の熱狂の日音楽祭では、計14の講演を聴いたが、最大のホールAでも2度聴いた。このホールは明らかにクラシックのコンサート向けではない。ポップスやジャズでもむいていないと思う。ただただ興業優先の考え方が、このようなところで音楽の公演をさせてしまう。

熱狂の日音楽祭では致し方ないところだが、このホールには巨大なスピーカーが左右に備え付けられている。天井からは、ステレオのマイクが下がっていたが、これはひょっとしたら録音をするためではなく、アンプを通じて舞台上の音を流しているのではないかという疑念が頭をよぎった。

2階席の後方では、おそらくまともなバランスでは聴けまい。それを補うためにPAを使ってるかもしれない。それが許されるかどうか。今回は、2度とも比較的前の方で聴いたので、ほとんどオケもピアノも生の音が聞こえてきたが、主催者に聞いてみたいところだ。

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521 : ホールB7 10:15~
オーヴェルニュ室内管弦楽団
アリ・ヴァン・ベーク(指揮)
シューベルト/マーラー:弦楽四重奏曲第14番ニ短調D810「死と乙女」
(弦楽オーケストラ版)
最終日は、午前中からご出勤、10時15分開演の「死と乙女」を聴く。今回は、本来のストリング・カルテット向けににシューベルトが書いた版ではなく、マーラーが編曲した室内オケ用のものである。フランスでも最高レベルの室内オケであるオーベルニュ室内管弦楽団とその音楽監督ベークの腕に期待した。
結論を急げば、期待通りの名演だった。原曲の良さもあるが、マーラーの重層的で精緻なオーケストレーションが際だった演奏で、この曲が編曲版とはいえ、十分、認められるものであることが今日の演奏で理解できた。
全体を通じて、ドライブ感にあふれ、またピアニシモの部分では静謐なロマンティシズムも感じさせる。作曲家、演奏家の意図をくみとりながら、色合いに変化をつけていくベークの指揮は高く評価されて良い。
会場には、小さな子供が多かったが、基本的には静かに聴いていた(寝ていた?)。また障害者もきていて、演奏中も時々声を上げていたが、彼は音楽が好きなのだろう。テンポに合わせて身体を揺らせていた。母親らしき人は気にしていたが、こんなコンサートがあっても良い。
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552 : ホールD7 11:45~ 
児玉桃(ピアノ)
ドミトリ・マフチン(ヴァイオリン)
シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調作品137 D384
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調作品24「春」
シューベルト19歳の作といわれるヴァイオリンソナタ第1番とベートーヴェン30歳の作である「春」のカップリングを、マフチンと児玉桃が演奏した。
もちろん「春」に期待をしていたが、存外、シューベルトが良かった。決して習作ではなく、それなりの完成度をもったソナタだ。後期の叙情豊かな雰囲気も感じさせる。ヴァイオリンの伴奏付きピアノソナタといわれているようだが、ヴァイオリンの旋律は多彩で美しい。マフチンのヴァイオリンは、基本的に高域がきれいだが、こうした小さな会場で聴くと、落ち着いた音色で深みも十分、将来性を感じさせる。
「春」は、全体的に速めのテンポでぐいぐいと演奏された。やや一本調子という感もしないではないが、これも一つの表現だろう。桃の力強いタッチが、楽曲の輪郭をはっきりさせ、わかりやすい「春」になったと思う。
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513 :ホールA 14:30~ 
小山実稚恵(ピアノ)
フランス国立ボルドー・アキテーヌ管弦楽団
クワメ・ライアン(指揮)
ウェーバー:「オイリアンテ」序曲
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調作品58
今回選んだ14公演の最後を飾るのは、小山実稚恵のコンチェルトだ。私自身、ベートーヴェンのピアノコンチェルトのなかで最も好きなもので、この熱狂の日音楽祭でも最初の年のベートーヴェンの際にも聴いた。その際は、ポルトガルの中堅ピアノスト、ペドロ・ブルメスターがフランソワ=グザヴィエ・ロス指揮のポワトゥー・シャラント管弦楽団の伴奏で名演奏を披露した。正直いって期待していなかったのだが、あまりのすばらしさに驚愕した記憶が残っている。もちろん、ホールCの各所からブラボーが連呼された。
それと比べて、小山のコンチェァ・・トは物足りなかった。少々、ミスタッチもあり、まだ自分のものにしていないように感じた。
それでも第1楽章は好演、ゆっくりしたテンポで小山特有の華麗なタッチが聴かれた。第2楽章は安定感があり、重厚なオケの響きとメランコリーな小山のピアノがうまく絡み合っていた。
問題があるとすれば第3楽章か。一本調子になり、なぜか急ぎすぎたようなところもあった。明るくリズミカルに、このコンチェルトの良さを出そうとはしていたが、ブラボーをかけるほどではなかった。事実、ブラボーも拍手も、昨年のラフマニノフのコンチェルトには遠く及ばなかった。

今日は明るいうちに帰宅、後ろ髪を引かれる思いだったが、また来年に期待しよう。

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