NCロードスターの心地よさ
これまで乗っていた8は、高回転域を維持しないとフラストレーションがたまる車だった。それはロータリーの宿命であるが、公道で高回転域を駆使するということは事実上不可能であり、昨今ののガソリン価格高騰のなかで現実的ではない。
そもそもサーキットに行かない私のような使い方では、8は宝の持ち腐れ的存在であった。そのことを気づくまで、低回転域の使いづらさを解消する対策をいろいろやったが、結局は自己満足の域を脱することはできなかった。
その中で二度試乗して決めた今回のNC RS RHTは、8とは全く性格は異なるが、スポーツ性をもち、しかも乗り心地も良いくるまである。 RHTは、車重が重くなっているので、ひらひら感は他のNCのグレード、あるいは歴代のロードスターより落ちるかもしれないが、私のような年齢では、このどっしり感ともいえる挙動はむしろ好ましく感じる。事実、助手席専門の家内は車酔いにならず、快適だと好感を持って受け入れてくれた。
フォルムであるが、しゃがみ込んでサイドから見たところのボリューム感がとてもよい。8の場合、車の前部と後部で、ややアンバランスな感じを抱いたが、デザイン的にはNCのバランスはとても良い。やや腰高なイメージもないわけではないが、ローダウンスプリングを入れて車高を下げた場合の乗り味の変化をリスクと考えると、フォルムだけの理由で、安易に換えない方がよいのかもしれない。
乗り味は、重厚とはいっても、それは他のグレード、あるいは歴代のロードスターとの比較においてであり、8などと比べても、短いホイールベースを活かしたクイックなハンドリングは十分楽しめる。ビルシュタインの足は、RHT用に新たにチューニングされているようで、このまましばらくいじらなくても良いように感じた。
ともかく初めての屋根なし車で、不安も多かったが、空気の流れをうまく制御していて、多少の雨では、室内に雨が降ってこなかったほどだ。ということは、本来トップのある位置に、見えないトップがあって、風の巻き込みを最小限に抑え込んでいるということだ。歴代のロードスターでは、ここまでの芸当はできないだろう。
トップを開けていると、確かに今の時期は陽差しが強いが、木々のそよぎや鳥の声などが聞こえてきて、新しい発見も多い。それに同じマツダのロードスター・ユーザーが、すれ違いざまに手を挙げ挨拶しくれるという、予想外のこともあってうれしかった。
8に乗っていた頃は、高速道の厳しめのカーブをどこまでハイスピードを維持して抜けられるかなどと、危険なことを考えながら走っていたが、NCで走った高速道での最高速は110kmほどで、トップを開けていても閉じていても、それなりのノイズがあるので、これ以上、速度をあげると不快になり、むしろ安全運転を促してくれるという副次的効果も感じられた。カーナビのオービスROMやレーダー不要の運転は新鮮だ。
いずれにしても、くるまの乗り方、楽しみ方を根本から変えてくれそうな予感がする。毎週、いろいろなシチュエーションで走らせてみたい。
ps:やはり電動のハードトップ開閉は便利である。青空駐車場に止めていることもあって、雨漏り、いたずら対策も心配しなくて済み、精神衛生上、とても良い。
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