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October 10, 2009

10月の短歌作品

難読

 莨《たばこ》吸うものだけ占有しうる場所二十二階北神田見下ろす

 令《いいつけ》をまもらざるもの左遷とぞ地上に落下してゆく木の葉

 顳《こめかみ》に蚊の一匹が止まりたり払えどふたたび止まらんとす

 谺《こだま》ひびく丸の内にはハレーション盛大に出るレンズをつかう

 右にだけ出る靨《えくぼ》なる左より撮ればわずかに表情の増す

 東京はマドリッドに亜《つ》ぎ三位なり夢見しものら睡りにつきぬ

 「鎹《かすがい》は金だけ」という男いて冷静沈着ただただ無口

 篦《へら》をもつ職人二十時すぎてなお白熱灯のもと仕事つづける

 中川氏、秋の日の朝死す酒におぼれて死すと熟熟《つくづく》おもう

 中川家に夫婦のともに睡る閨《ねや》なくてひとりであの世にゆきぬ

 遖《あっぱれ》と賞賛されて死する人おらぬ時代にわれ生かさるる

 磧《かわら》にはビニール袋の幾枚もうち上げらるる水かさの減り

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