9月の短歌作品
現実
子に乳を飲ませるはずの胸ねむる腹さすりたる妊婦のもとで
プライオリティシートに沈みこむからだ生きているのか死んでいるのか
ポイントに差しかかるときマタニティマークの揺れて顔をしかめる
背の高きサラリーマンが気づき立つ手招きすれば他のものきたる
席の空きすぐにうめらる強固なる意志もつものまた属性おんな
窓に顔ひとつうかびてたじろぎぬ阿修羅のごときわれの顔なり
台風のさりて風音弱まりて迷い込みたる蝉のさわぎぬ
カメムシのわが肩にある葉月尽changeは変化となりてせまり来
日の射して汗ふきながら三叉路をまがれば冷気のほどよくのこる
民主党政権樹立間近にてユーミンうたう「九月には帰らない」と
海水を飲み込むごとき心地する「生きるためには仕方がないか」
カフカかたる評論文を読みおもう脱官僚・政治主導の政策決定


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