11月の短歌作品
日々
数人の若き僧らが雑巾がけしたる廊下に秋天おりる
告別式、納骨式に参列のひとら交差す神無月尽
銀杏葉に透かされ光は遺影にもとどく静かに列うごきだす
遺影もつ男と目のあう緩き坂をかれはくだりてわれはのぼりぬ
回廊に沿いて小さな菊花展ひらかる淡き秋陽のなかに
数枚のカットを撮りて液晶に映せば菊花の影は人形《ひとがた》
目の覚めるほどの黄色の輝きをとりさりサイアノタイプに仕上げむ
「情報管理、徹底せよ」と夏のすぎ秋のふかまりピリピリとせり
「記者さんたち、てんぱってますよ」と声たかき広報主幹の目は笑わない
抜くか抜かれるか、どちらかひとつの掟にて人事情報毎夜さぐるか
唐突に決まるものゆえ携帯用バッテリィ二基日々もつ覚悟
「広報とは広聴なり」ときれい事いわれて目線をさげるわれかな日々


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